タイムボカン24の最終回が間近に迫っていますが、謎が深まっているカレンの彼氏の正体について考察してみたいと思います。

カレンには行方不明になった彼氏がいて、どこかの時代にいると信じて任務の合間に探し続けています。この『彼氏がいて行方不明になっている』という設定は、タイムボカンの木江田博士と、オタスケマンのアターシャの心の人を合体させたオマージュネタになります。オタスケマンの場合、アターシャは心の人がいると公言しており、いつも心の人の写真が入ったペンダントを大切にしていたのですが、最終回でペンダントを開けると、中に入っていたのはアターシャ自身の写真でした。また、LP版では心の人との結婚式を行うのですが、結局心の人など存在せず、全て自分の嘘だったと涙ながらに告白します。

この心の人の正体について、脚本家の小山高生先生は「いるいると言って、実はいなかったというギャグだった」と話しており、作中でずっと『いる』と公言していたのは、『いない』というオチのための前フリだったということになります。

では、タイムボカン24の場合はどうなるのか。カレンは第1話から彼氏を探し続けており、『いる』という前フリがされている以上、ギャグのセオリーとしてオチは『いない』ということになります。しかし、第12話から突如としてエア彼氏疑惑が浮上して、その後も頻繁に揶揄されるようになります。

第12話
カレン「彼氏はね、行方不明になったの。彼氏は私達と同じJKK時空管理局の一員だった。でも活動中に行方不明になったの。どこの時代にいるのかも分からない。でも信じてるんだ。いつかきっとまた会えるって」
トキオ「カレン…」
ペラリーノ「きっと会えるペラ」
ピコボー「その彼とやらが、ほんとにいればピコ。実際にいるかどうかは、トップシークレットだピコ」
トキオ「も、もしかしてエア彼氏?」
カレン「ちゃんといるわよ!ああ、この時代にも彼氏はいなかった」

第16話
カレン「い、いますー。私もてます。彼氏いますー」
ビマージョ「ふん、大人を舐めんじゃないわよ。ネタはもう上がってんのよ」
カレン「ど、どういう意味よそれ」
ビマージョ「エア彼氏」
カレン「ハァーーッ?」
ビマージョ「可哀想に。あんまりもてなくて妄想しちゃったんだね」
カレン「う、うるさい、23世紀生まれ!」
ビマージョ「な、なんですって妄想女!」

ピコボー「エア彼氏はほんとピコ」
トキオ「ええっ!?」

第17話
カレン「分かるわ。私の彼氏も、私が一緒にいないと駄目よねーってところがちょっとあったから」
ピコボー「症状が進んでるピコ」
トキオ「そ、そうなのか?」


このように、『いない』という前フリが何度も繰り返されており、ギャグとして成立させるためには、逆の『いる』という結論が用意されていると考えるのが自然です。つまり、カレンの主張どおり彼氏は実在することになります。

しかし、ここまで両極端に『いる』から『いない』にネタが切り替えされたところを見ると、この極端さそのものが前フリではないかという疑念が生じます。『いる』と予想した人も『いない』と予想した人も、その両方を裏切る第三のオチが用意されているのでないでしょうか。

彼氏は『いる』けど『いない』。『いる』も『いない』も両方正しいと仮定して考察すると、『彼氏は存在するが現時点では存在しない』ことになり、分かりやすく説明すると『カレンの彼氏は未来の世界に存在しており、現時点の時間軸に存在しない』となるわけです。つまり、「現時点で恋人ではない異性の隊員」こそ彼氏の正体となるわけで、この条件を満たす人物は一人しか存在しません。そう、トキオです。カレンの彼氏とは、未来のトキオではないでしょうか。

ここで注目したいのが、第18話のオヤダーマのセリフです。第18話でオヤダーマは、未来人が過去の歴史を変えるのは歴史法違反で、懲役300年の磔の刑だと言っています。わざわざ画面に字幕表示してまで300という年数を強調してますが、この300という数字は非常に中途半端です。実際に刑罰を受けさせたら確実に寿命で死亡する年数ですが、オヤダーマは300年磔にした後でドクロクラフターで戻ってくればいいと言って、実際に300年の磔にしてしまいます。

何故ここで、300年という中途半端な数字にする必要があったのか。きりのいい数字なら100年とか500年でよかったのに、わざわざ字幕で強調してまで300年にしたのには、何か理由があったはずです。

その答えになるのが、トキオとカレンの年代差です。本来トキオは21世紀の人間ですが、24世紀のカレンにスカウトされて時空管理局の隊員になりました。21世紀と24世紀の年代差はちょうど300年で、歴史法違反の懲役と一致します。もし仮に、トキオが任務途中に歴史法違反で捕まって300年の懲役を受けたとします。21世紀に収監されて、300年後の24世紀に釈放されると、カレンとの年代差がゼロになって、24世紀の人間として一緒に暮らせるようになります(タイムボカンで過去に戻れば21世紀の家族と会えるので天涯孤独にはならない)。

そう、懲役300年という話は、21世紀生まれのトキオを24世紀の人間にするための伏線であり、タイムパラドクスで二人のトキオを存在させる壮大なネタフリだったのです。

私の予想はこうです。未来トキオは歴史法違反で捕まって、2017年から300年服役することになります。収監された場所は時空管理局の内部であり、24世紀に起こった犯罪を21世紀から処罰している形になるため、タイムパラドクスを防ぐため未来トキオの存在はトップシークレットとされる。任務の途中で行方不明になったという話は、歴史法違反で逮捕された事実が捻じ曲がって広がった結果であり、このように考えれば、彼氏に関する話は一応辻褄が合います。

このタイムパラドクスに関する伏線は、第19話にも存在します。ビマージョとの恋愛小説対決において、カレンは彼氏を想いながら「愛は時を越える」と言っていますが、「時を越える」=「カレンとは違う時代の人間」を示唆していると捉えることができます。レギュラーキャラで24世紀以外の人間はトキオしか存在しないので、間接的に彼氏=トキオとなります。

問題は、何故カレンが未来トキオを彼氏として探しているかについてなのですが、「かつて任務中の未来トキオに助けられた経験がある」、「小さい頃に時空管理局の見学中に迷子になって、偶然未来トキオの檻に迷い込んで仲良くなった」、「未来トキオの写真(次回予告に映っている写真)を拾って一目ぼれした」など、そんな感じの理由じゃないかと予想します。

というわけで、「彼氏=未来のトキオ」説について説明させて頂きましたが、如何でしたでしょうか。第19話のバレンタイン回のトキオの扱いがあまりに悲惨だったので、こういう救いがあればいいなと思ってまとめてみました。