タイムボカン24の放映日が1週間後に迫り、作品への注目が俄然高まっている。産経新聞の記事で永井幸治プロデューサーは、「メカやキャラクターのデザインは今どきになっているが、主人公たち正義の味方が『三悪』を懲らしめるという、分かりやすい勧善懲悪は変わらない」とコメントしている。確かに、真歴史を探す主人公と、それを阻止する悪玉という構図は、正義と悪の対立が単純明快で、子供にもわかりやすいストーリーといえる。しかしこの善悪の構図は、過去のタイムボカンシリーズのある作品を知っているか否かで大きく揺らいでしまい、ファンの中には『本当に勧善懲悪の物語なのか』と懐疑的に感じている人もいるのである。

その作品とは、タイムボカンシリーズ第4弾「タイムパトロール隊オタスケマン」である。この作品では、歴史の変革を企むオジャママンと、それを阻止するオタスケマンが戦いを繰り広げており、歴史変革を巡って争う部分にタイムボカン24との共通点が見られるのだが、真に注目すべきは黒幕トンマノマントが出す歴史変革の指令にある。

以下にその例をまとめてみると、

「ファーブルは昆虫ではなく水虫の研究をしていた」
「考える人は犬とにらめっこしていた」
「カメハメハ大王は助けた亀に連れられて竜宮城で乙姫と夫婦になった」
「奈良の大仏は逆立ちしてアッカンベーしていた」
「新撰組はスエズ運河を掘る仕事をしていた」
「フランクリンはタコを油で揚げるチェーン店を作って大儲けした」

どれもこれも突拍子のない滅茶苦茶な指令ばかりであるが、トキオたちが探す真歴史と比べてみるとどうであろうか。

「クレオパトラはクレ夫とパトラという夫婦漫才師だった」
「桃太郎は鬼よりも鬼な男だった」

このように、トンマノマントの指令と真歴史を比べてみると、どちらがどの作品なのか区別が付かないほど似ているのである。そのため一部ファンの間では、『タイムボカン24の世界はトンマノマントの歴史改変が成功した世界ではないか』という説も飛び出している。

前知識がなければ勧善懲悪の単純明快ストーリー、しかしオタスケマンを知っていると一変して謎に満ちた奇妙なストーリーに変貌…。タイムボカン24には新規ファンも旧シリーズファンも楽しめる仕掛けが隠されているのである。