あらすじ:
小麦ちゃんフィギュアのスカートの中を覗き込んでいたトキオは、その恥ずかしい姿をカレンに見られた後に、コロンブスの真歴史を発見するため1498年のスペイン・アンダルシア州のパロスに出発した。コロンブスの船から真歴史反応を感じたトキオたちは急いで船に乗り込み、一方のアクダーマも、カリブ海に出発したはずが何故か同じ時代に到着していたため、同じくコロンブスの船の追跡を始めた。

船内でコロンブスに見つかったトキオとカレンは、コロンブスが新大陸発見のため出航したのではなく、海に出れば何か新しいものが見つかるんじゃないかと漠然とした希望で出発したと聞かされて唖然とする。トキオの発した『新大陸』という言葉から『新体操』を連想したコロンブスは、この航海で新しい体操を発見することを決意して、それが今回の真歴史だと知ったカレンは、一緒に新体操発見の手伝いをしようとするのだが、突如現れたアクダーマに捕まって船内の牢屋に入れられてしまう。

アクダーマはコロンブスを閉じ込めてそのまま新大陸に向かおうとするのだが、ビマージョのコスチュームを見たコロンブスはレオタード姿で踊ることを思いつき、鞭で叩けばリボン体操を思いつきと、やることなすこと全てが裏目に出てどんどん新体操が完成に近づいてしまう。コロンブスはスペインに帰ろうとするのだが、そこに突如海賊船が現れて砲弾を撃ち込んできた。砲撃で牢屋が破壊されてようやく自由になったトキオたちはアクダーマと対峙して、この滅茶苦茶な真歴史を守ることに疑問を感じつつも、とりあえずメカ戦に突入した。

メカブトンはロボモードに変形して戦いを挑むが、海賊メカの浮き輪に捕まって、チェーンで振り回した遠心力で遠くに投げ飛ばされてしまう。ビマージョは新大陸に向かって舵を取れとコロンブスに命令するのだが、コロンブスは舵を物理的に取ってフラフープのように踊り始め、新体操がより完成に近づいてしまう。そこにメカブトンが浮き輪に捕まった状態のままバタ足で戻ってくるのだが、ツブヤッキーが浮き輪を爆破してメカブトンはボロボロになってしまう。ピンチに陥ったトキオは「本日のスーパードッキングルーレット」を起動して、カマキリッパーを呼び出した。カマキリッパーは海賊メカに突進して慌てさせると、その隙にスーパードッキングして武者王に変身。海賊メカを一刀両断して勝利した。新体操を発見したコロンブスは部下にスペイン帰還を命令し、コロンブスの帽子についていたダイナモンドを受け取ったカレンは、ポーズを決めると未来に帰還した。

同じく未来に帰還したアクダーマは、今回も任務失敗して落ち込んでいたが、ビマージョは自分のコスチュームが新体操の元になったと知って喜んでいた。そこにオヤダーマが現れると、「そんなに新体操したいならこうダマ」と3人をキャッツアイ風のレオタード姿にすると、新体操のボールに見立てた爆弾をプレゼントして、アクダーマは黒コゲになってしまうのであった。


真歴史:コロンブスが新体操を発見する。

*ゲストキャラクター
コロンブス:速水奨
少年コロンブス:続木友子
大統領:野瀬育二
チャック:笠間淳
船員1:杉崎亮
船員2:佐々健太


善玉メカ:メカブトン、カマキリッパー(武者王)
悪玉メカ:海賊メカ

コクピットメカ:
シュークリーム「フレッーフレッー、ツブヤッキー!フレッーフレッー、ツブヤッキー!」
おだてブタ「ブタもおだてりゃフラフープ」
おだてブタ「ブタもおだてりゃポチッとナウ」
姑メカ「まだホコリ残ってるわよ久子さん」
嫁メカ「お母様スミマセン。グスングスン…」
姑メカ「またライ姑」
嫁メカ「空気嫁」

おしおき:レオタード姿にした後で新体操のボールに見立てた爆弾で黒コゲにする

視聴率:2.9%




感想:
今回のお話は、タイムボカン24というアニメを語る上でターニングポイントとなる非常に重要な回となりました。前回もストーリーに粗がありましたが、今回はその比ではなく、物語の根幹を揺るがす重要な部分での粗が表面化してしまい、今後それをどうやって乗り越えていくのか気がかりです。とりあえず暗い話は後回しにして、良かった点からお話ししたいと思います。

今回はパロディや時事ネタに非常に力を入れていました。司令官の世界ふしぎ発見から始まり、海賊の襲撃シーンではパイレーツ・オブ・カリビアンの音楽が流れて、オヤダーマがワンピースっぽいセリフを言った後に、アクダーマがキャッツアイのコスプレやって終了と、旧ボカン世代にドストライクなネタがてんこ盛りでした。ツブヤッキーの海賊好きという設定は、声を演じている平田広明さんがジャック・スパロウの吹き替えをしている中の人つながりのネタであり、それっぽい音楽が流れている中で海賊について熱く語っているのは非常に面白かったです。冒頭のトランプが話すシーンは、一緒にヒラリーバージョンも作ってあって選挙結果に合わせて選んだと思われますが、本当に芸が細かいです。

トキオの私生活の一端も見れましたが、あれどう見ても小麦ちゃんフィギュアのスカートの中を覗き込んでますよね。カレンに知られて赤面してましたし。今までネタで変態と言ってましたが、ネタじゃなくてガチのむっつりスケベと判明して逆に高感度アップです。その他キャラもいい感じに暴走し始めてますし、ボカンらしいハチャメチャさで今後が非常に楽しみです。


……と言いたい所ですが、冒頭でお話したように今回のお話は手放しでは喜べません。物語の根幹部分に関わる粗がついに表面化してしまったからです。ストーリー中盤、コロンブスの新体操を見たビマージョの「っていうかあんた達、アレあたし達に邪魔させなくてホントにいいのかい?」という問いかけに対して、カレンは「わ~か~る~け~ど~。まあ、私達も任務だから…」と悔しそうに涙を浮かべながら拳を握り締めます。そして、何故真歴史を発掘する必要があるのか何のフォローもないまま物語は終了してしまいます。

ここで重要なのは、カレンが『どんな滅茶苦茶な内容であろうと、絶対に真歴史を発掘する必要があることを説明できなかった』という点です。作品の根幹である真歴史発見に、何の意味も理由も必要性もないことを、登場人物自身が、しかもトキオを時空管理局にスカウトした張本人が、暗に認めてしまったわけです。

「正しい歴史の流れに戻すため真歴史を発掘しているのではないか」と反論されそうですが、それはありません。前々回のハロウィンの真歴史において、「トリック・オア・トリート」が「鳥取・オア・島根」だったという真歴史がロックされました。エンディングでは西洋怪物のコスプレが日本妖怪のコスプレに変わっており、真歴史ロックで正しい歴史の流れに修正されたかのような演出がされましたが、その翌週の冒頭、渋谷のハロウィンは西洋怪物のコスプレのままで、子供たちも普通に「トリック・オア・トリート」と言っていました。もし歴史の流れが変わったならば、子供たちは「鳥取・オア・島根」と言っているはずであり、それが何も変わってないということは、真歴史がロックされても歴史の流れに何の影響も与えていません。

これまで私は「真歴史を発掘する=正しい歴史の流れに戻す」という認識で物語を見ていました。しかし、発掘したところで歴史の流れに何の影響も与えず、後世の人々の記憶にも無関係で、ただ教科書が差し替えられるだけで誰も得しない、無意味で自己満足な真歴史をわざわざ発掘するその意義を、登場人物そのものが理解していなかった。カレンがあそこで真歴史を発掘する意義を明確に説明できなかった時点で、ストーリーは破綻してしまったと言えます。

産経新聞のコラムにおいて、永井幸治プロデューサーは「メカやキャラクターのデザインは今どきになっているが、主人公たち正義の味方が『三悪』を懲らしめるという、分かりやすい勧善懲悪は変わらない」とコメントしています。正義と悪の対立という構図は、ボカンシリーズにおいて欠かすことのできない要素であり、いくら三悪に絶大な人気があっても悪であるがゆえに負け続けて理不尽な目に遭うわけであり、因果応報を体現した惨めな姿に、子供たちは大笑いしたわけです。24のアクダーマの場合、真歴史を達成しても阻止しても歴史の流れには無関係であり、偉人とされる人物の名誉を守るという意味ではむしろアクダーマが正義であり、カレンも暗にそれを認めてしまい、『分かりやすい勧善懲悪』とはほど遠い状況になってしまいました。

結局のところ、真歴史という設定をスタッフも持て余していて、物語を制御し切れていない印象を受けます。未来人の介入ありきの真歴史は、発掘というより改竄してるとしか思えませんし、時空管理局が悪としか思えない曖昧な状況が続く限りは、こうした疑問は払拭されそうにありません。

かなり長くなってしまいましたが、前回と今回で物語の骨格が一気に揺らいでしまった感じがして本当に不安です。これらの謎がきちんと消化されることを願いつつ、来週も期待したいと思います。


*登場人物について

トキオ:フィギュアのスカートの中を覗き込むという思春期特有の変態行動をカレンに見られて赤面した。

カレン:トキオを火あぶりにして喜ぶドS。洗濯に苦労しそうな服を着ている。

司令官:TBSに喧嘩を売った猛者。

コロンブス:顔が濃い。語尾にコロンとつけるがサイコロ要素は皆無だった。

ビマージョ:現実逃避の中で久々に入浴ヌードを披露した。

ツブヤッキー:海賊にスキャン銃を照射したら消滅したように見えたが、ひょっとして殺人では……。

スズッキー:冒頭できちんとサラリーマンしていた。