先日の第7話の感想で、今回の話は24という作品のターニングポイントになるというお話をさせて頂いた。真歴史を発掘する意義が曖昧にされて、物語の骨格が揺らいでしまったことに不安を感じていたのだが、更なる考察を深めた結果、事態は想像していた以上により深刻であることに気付いてしまった。

これまでの真歴史は、大半が未来人の介入によって達成されてきた。クレ夫とパトラはトキオの漫才特訓がなければ優勝できなかったし、ハチ公もトキオがレンゲの花を用意しなければ母親と再会できなかった。未来人の介入ありきという部分にパラドクスが生じるものの、どちらにしても教科書の歴史がデタラメであったことに変わりがなく、そうした意味で真歴史は一応の真実であると見做すことができたのである。

ところが、今回のコロンブスの場合はどうであろうか。コロンブスが新しいものが好きな変人だという部分は、未来人の介入があろうとなかろうと不変の事実である。しかし、『発見したものが新大陸ではなく新体操であった』という部分はどうであろうか。あの航海に未来人の介入があった場合、なかった場合を考察すると次のようになる。


※未来人の介入あり
コロンブス出航→船上でトキオと出会う→トキオとの会話から新体操の発想を得る→ビマージョのコスチュームを見てレオタードで踊ることを思いつく→ビマージョの言葉が逆効果となって新しい体操を次々と発見→新発見に満足して新大陸到着直前にUターン

※未来人の介入なし
コロンブス出航→船上で誰とも会わない→新しいことが思いつかない→海賊に襲われて沖合いに逃亡→そのまま新大陸に到着


お気づきであろうか。もしトキオたち未来人が現れなければ、コロンブスは新体操の発想を得ることなく航海を続けて、そのまま新大陸に到達していた可能性が高いのである。つまり、これまでの話とは違って、そのまま放置していれば教科書どおりの歴史になっていたところを、わざわざ未来人を介入させて強引に改竄してしまったのだ。

そう、今回の話は真歴史を発掘したのではない。真歴史を事実にするため、本来の歴史を捻じ曲げて強引に辻褄合わせをしたただけなのである。言うなれば、トンマノマントの指令をオジャママンが達成したようなものであり、歴史探求どころか歴史破壊の愚行を率先して行ったことになり、本末転倒どころの騒ぎではない。

真歴史反応さえなければトキオたちがその時代に行くこともなかったわけで、そうなると誰が何の目的で偽の歴史反応を未来に送っているのかという話になってきて、わざわざ偽反応を受信してその内容どおりに歴史改竄させた時空管理局こそ黒幕なのでは、という話になってくる。

教科書は間違っていて真歴史が正しい歴史、という根本設定が粉々に崩れてしまった今回のお話。これらの謎がきちんと解明されることを願いたい。